2024年12月19日(木)
木造住宅の新築時に行う防蟻処理(シロアリ対策)は、建物をシロアリ被害から守るための重要な工程です。また新築工事の際に使用する防蟻処理の薬剤は防腐効果も高く、シロアリや腐朽からの被害を未然に防ぐ為には、必ず実施しておきたい工事です。しかし、防蟻や防腐と言ってもどんな工事をするの?と思われる方がほとんどかと思います。そこで、以下に、新築木造住宅における防蟻処理について説明します。
1. 防蟻処理の必要性
シロアリは木材を食害し、住宅の構造に深刻なダメージを与える可能性があります。防蟻処理を行うことで、シロアリ被害を未然に防ぎ、住宅の長寿命化を図ります。
2. 防蟻処理の種類
(1) 薬剤処理
- 土壌処理: 建物の基礎部分(床下や基礎周囲の土壌)に薬剤を散布し、シロアリの侵入を防ぎます。
- 木材処理: 建物の土台や柱など、シロアリが好む木材部分に防蟻剤を塗布または噴霧します。
(2) ノンケミカル処理
薬剤を使用しない方法で、環境に配慮した対策として注目されています。
- 防蟻シート: 建物の基礎部分に防蟻性能を持つシートを敷設します。
- ステンレスメッシュ: 基礎の隙間部分にステンレス製のメッシュを設置し、シロアリの侵入を物理的に防ぎます。
(3) 天然素材やホウ酸処理
環境に優しいホウ酸を木材に浸透させ、シロアリ対策を行う方法。ホウ酸は揮発性が低く、長期間効果が持続します。
3. 防蟻処理の施工時期
(ケミカル薬剤処理の場合)
防蟻処理は、新築工事の進行に合わせて行います。
※工法や建築業者さんの施工方法により段取りは異なります。
基礎工事中: コンクリートを打設する前の土壌へ土壌処理剤を散布します。
土台敷設中: 土台や大引材などの木材へ防腐効力も含まれる木部処理剤を施工します。
上棟後:外周に接する柱や間柱、筋交など地面から1mの高さまで木材処理剤を塗布します。
4. 防蟻処理の注意点
- 認定薬剤で処理: 「シロアリ対策協会や木材保存協会の認定した薬剤」での処理が推奨されています。
- 保証期間の確認: 防蟻処理には保証期間が設定されていることが多く、一般的に5年が目安です。
- 定期点検: 新築後も定期的にシロアリ点検を行い、被害を早期発見することが重要です。
5. 環境配慮型防蟻処理
近年では、化学薬剤を使用しない、環境や住民に優しい方法が注目されています。ホウ酸処理やシート施工などの選択肢も検討すると良いでしょう。
木造住宅の新築時にしっかりとした防蟻処理を行うことで、住宅の耐久性を高め、長期的な安心感を得られます。
具体的な施工方法や費用については、弊社までお問合せくださいますようお願い致します。