住宅の床下点検では、「木材の含水率」を測定することが非常に重要です。
一見地味な数値ですが、実はシロアリ被害や木材腐朽のリスクを判断するうえで欠かせない指標です。
木材が腐る条件は「水分」がカギ

木材は自然素材のため、湿気が多い環境では腐朽菌(木材腐朽菌)が発生します。
特に含水率が20%を超えると腐朽菌が活動しやすくなり、30%前後では腐朽の進行リスクが一気に高まります。
腐朽が進むと木材は強度を失い、住宅の耐久性にも影響を及ぼします。広島のように湿度が高くなりやすい地域では、床下の通気状況によっては知らないうちに含水率が上昇しているケースも少なくありません。
木材腐朽と「シロアリの誘引」の関係

腐朽菌が木材を分解すると、その過程で二酸化炭素(CO₂)や揮発性のガス(微量の有機物)が発生します。
シロアリは目がほとんど見えず、視覚ではなく嗅覚(化学物質の感知)や触覚を頼りに行動します。
そのため、
- 二酸化炭素の濃度変化
- 腐朽した木材特有のにおい
といった環境の変化を手がかりに、エサとなる木材の場所を見つけています。
実際にシロアリはCO₂濃度の高い方向へ移動する性質があることが知られており、腐朽した木材は格好のターゲットになります。
含水率測定は「見えないリスクの可視化」

床下は暗く、見た目だけでは劣化が分かりにくい場所です。
そこで活躍するのが「含水率計」です。
含水率を測ることで、
- 腐朽菌が活動できる環境かどうか
- シロアリ被害が発生しやすい状態か
- 将来的な劣化リスク
を数値で判断できます。
例えば、見た目は問題がなくても含水率が高ければ要注意。逆に乾燥状態が保たれていれば、シロアリや腐朽のリスクは大きく下がります。
まとめ:乾燥状態を維持することが予防の基本
シロアリ対策は薬剤だけではなく、「環境を整えること」が基本です。
その第一歩が、床下の含水率チェックです。
特に、
- 築年数が経っている住宅
- 北側や日当たりの悪い立地
- 湿気がこもりやすい床下構造
に当てはまる場合は、一度専門業者による点検をおすすめします。
見えない床下こそ、住宅の健康を守る重要なポイントです。






